2008 Fiscal Year Annual Research Report
特別な教育的支援を要する子どもたちの社会適応行動の評価方法と支援プログラムの開発
Project/Area Number |
19530879
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Research Institution | Sakushin Gakuin University |
Principal Investigator |
服部 美佳子 Sakushin Gakuin University, 人間文化学部, 教授 (70438737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名越 斉子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30436331)
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Keywords | 特別支援教育 / 発達障害 / 社会生活能力 / 社会適応行動 |
Research Abstract |
平成19年度に行った社会性尺度(試行版)のデータの集計と分析をもとに、研究代表者(服部)を中心とするワーキンググループで尺度項目を見直し、社会適応能力検査(仮称)を作成した。本検査の標準化を行うため、平成20年5〜6月に東京都、神奈川県、埼玉県、栃木県、大阪府の幼稚園、保育所、小学校、中学校、知的障害に関する親の会などに調査協力を依頼し、同年10〜12月に3歳〜18歳までの約1800名の健常児データを収集した。信頼性や妥当性について検討を進める中で、健常児群の場合、いくつかのスキル領域で発達早期に天井効果に達することが明らかとなった。そのため、障害児群で天井効果は出るのか、何歳までの発達を追うことができるのか、どのようなプローフィールを示すと使いやすいかを確かめる必要性が明らかになった。そのため、平成21年度に向けて障害児群のデータ収集の計画を立案した。 上記の標準化作業と並行し、本尺度が発達障害や知的障害などの特別な教育的ニーズのある子どもたちの社会適応の状態を敏感に評価できるかどうかを確認するため、数事例への適用を試みた。その結果、自閉症スペクトラム群では、対人関係スキルや安全に過ごすことの発達が遅れること、知的障害群は発達レベルに比し日常生活スキルや対人関係スキルの発達が順調だということが明らかになった。ただし、今年度は少数の事例であったため、障害種と知的発達レベルを制御しながら社会適応行動の発達について詳細な分析を行うことが課題である。
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