2007 Fiscal Year Annual Research Report
文化が老年期の物語テキスト認知処理過程に及ぼす影響
Project/Area Number |
19539001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
細川 彩 Tohoku University, 大学院・教育学研究科, 博士研究員 (00451500)
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Keywords | 生涯発達 |
Research Abstract |
老年期において物語テキストの意味を想起する際、これまでの人生経験を通して培ってきた包括的な知識を次世代に伝えることが社会的認知ゴールであるため、命題には表現されていない象徴的な意味を深く、統合的に解釈することが明らかにされている。また、生涯発達理論によれば、発達は、文化、歴史、社会との関連や多様な因子の影響を受け形成される可塑性のものであるとされており、先行研究において老年期の認知処理過程には文化やライフスタイルが影響を及ぼすことが示唆された(Hosokawa & Hosokawa,2006)。本研究の目的は、先行研究での結果を踏まえ、日本と米国の高齢者と若年者を対象に物語テキストにおける認知処理過程を質的に明らかにすることを目的とした2部の実験から構成される。それぞれの実験では、異なった物語テキストを刺激として用いる。第1実験においては東洋の文化が反映された物語テキスト、第2実験においては西洋の文化が反映された物語テキストを用いることとした。平成19年度は、両文化群に対し、東洋の文化的内容が含蓄されたテキストを刺激として用いた第1実験を施行した。 「せんだい豊禮学園」に在籍する高齢者20名と宮城大学に在籍する若年者20名から構成される計40名の日本人群と米国モンタナ州の「ミズーラシニアセンター」に在籍する高齢者20名とモンタナ大学に在籍する若年者20名から構成される計40名の米国人群、合計80名を対象に調査実験を施行した。以下の手続きにより面接形式で調査実験を施行した。 1.大まかな実験手続きの説明を含むインフォームドコンセント、2.個人情報収集と健康状態の自己申告3.物語テキストの読解、4.挿入課題、5.物語テキスト想起課題、6.物語テキストの感想についての質問紙
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