2008 Fiscal Year Annual Research Report
Hilbert-Speiser型の代数体とStickelberger ideal
Project/Area Number |
19540005
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
市村 文男 Ibaraki University, 理学部, 教授 (00203109)
|
Keywords | 整数環 / 正規整数底 / 円分体 / 虚2次体 / Hilbert-Speiser / Stickelberger |
Research Abstract |
pを固定された素数とする。代数体FがHilbert-Speiser条件H(p)を満たすとは、F上の全てのtameなp次巡回拡大N/Fの整数環が正規底(NIB)を持つことを言う。p-整数環について対応する条件をH'(p)と記す。今年度はこれらの条件を満たす代数体の「分類」について研究し以下のような成果を得た。 1. 条件H(p)について : 高橋浩樹と共同で各素数pに対してこの条件を満たす虚2次体を決定した。昨年度の科研費研究でpが11以下の場合は出来ていたので実質的な部分は13以上の素数pの場合である。結論は「13以上のpに対してこの条件を満たす虚2次体は存在しない」である。昨年度の科研費研究において、虚2次体Fがあるpでこの条件を満たせばその類数は1であることを示した。この結果とrealizable classesについてのMcCullohの定理を用いて巧妙な議論でこの結論を得た。 2. 条件H'(P)についてこの条件を満たす代数体を探すには先ず、p分体K(p)の部分体で調べるのが自然であり、円分体論の古典的成果が使えるので有利である。結論を述べる。素数pが19以下の場合、K(p)のどの部分体もこの条件を満たす。23以上の場合について虚部分体でこの条件を満たすものは、-pの平方根のなす虚2次部分体でpが43、67、167の場合のみである。実部分体についても、この条件を満たすものは極めて稀であることを示した。(部分的に予想という形で。)
|
Research Products
(4 results)