2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540010
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松田 茂樹 Chiba University, 大学院・理学研究科, 准教授 (90272301)
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Keywords | 数論幾何 / 分岐理論 / p進解析 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、剰余体が正標数の閉体上の多変数の巾級数体であるような正標数の完備離散付値体の上のp進微分加群で良い性質を持つものに対し,Christol-Mebkhoutのオリジナルのフィルトレーションに近い形での高次元化にまつわる問題を考察した。即ち、微分作用素のなす環を用いたフィルトレーションの定義を行い、その際に必要になる性質の証明などを行った。また、それをもとに、XiaoおよびKedlayaによる古典的な剛解析空間を用いた同様のフィルトレーションとの比較や、対数付きの場合の問題の精密な定式化および具体例の計算を中心に研究を進めた。ただし、その際、微分方程式側とガロア表現側のフィルトレーションの比較の部分で議論が不足していると思われる箇所が見つかったこともあって、まだ不明な点が残っている状態である。 フロベニウス構造を持つ微分加群の構造に関する問題については、Marmora氏と共同研究を進めているGarcia氏とレビューを行い、問題点を整理し、解決に向けてのアイディアを得ることができた。 更に、階数の高い既約表現に対応する精密花されたスワン導手の例を、剰余体が完全な場合の例を拡張することにより構成し、対応する微分方程式についての計算を行った。また、加藤、斎藤によるガロア表現に対する特性多様体と、それに対応するD加群のBerthelotによる特性多様体を比較するための準備段階の計算を行った。
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