2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540016
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉原 久夫 Niigata University, 自然科学系, 教授 (60114807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関川 浩永 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60018661)
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Keywords | ガロワ点 / ガロワ埋め込み / ガロワ群 / 分岐被覆 / K3曲面 / 双有理変換 / 最小ガロワ閉包多様体 |
Research Abstract |
K3曲面Sのガロワ埋め込み、及びそれに関連する研究として、特異点をもつ平面曲線Cのガロワ点のガロワ自己同型の拡張問題の考察を行った。それぞれについて詳しく述べる。前者については、Sがガロワ埋め込みをもつとき、そのガロワ群Gが巡回群のとき、すべて決定した。それらは4次か6次しかなく、しかもSの構造はそれぞれ4次超曲面か(2,3)-完全交差形のものである。一方(2,3)-完全交差形のものがガロワ直線を持つときは、群Gは6次巡回群か位数6の二面体群である。更に、二面体群のときはSは3次超曲面のある点からの射影に対する、最小ガロワ閉包多様体として得られることも判明した。さて、後者であるが、Cが非特異のときはガロワ群Gの元は射影変換まで拡張できるが、特異点をもつとき、一般にはCの双有理変換にしかならない。そこで問題は、この元がいつ射影平面の双有理変換まで拡張できるのか?と、決してできない場合はどのような場合か?ということである。これらについて、Cが有理曲線のとき解決した。まず、有理曲線のとき、Gの元のCの非特異モデルのコホモロジー群への作用を考察し、巡回群や二面体群をガロワ群にもつような定義方程式をすべて決定した。さらに、平面の2次変換に拡張される場合、平面の特別な双有理変換によって線形化できることも示した。また線形化できる必要十分条件まで求めた。最後に飯高氏によるL-最小性の結果を用いてGが巡回群のときも、そうでないときも、Gの元で射影平面の双有理変換に拡張できない十分条件を与え、それらの例も多数与えた。
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