2007 Fiscal Year Annual Research Report
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19540021
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 知樹 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (80227842)
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Keywords | 量子群 / 指標 |
Research Abstract |
研究代表者は量子群の有限次元表現の研究に関していろいろな研究を行った。その結果、中井和香子氏との共同研究において、Frenkel-Mukhin(1998)によるq指標生成アルゴリズム(FMアルゴリズム)について以下のような成果が得られた。 FMアルゴリズムは任意の既約有限次元表現に対してその最高ウエイト単項式から再帰的にq指標を与えると予想されるものであり、基本表現やKirillov-Reshetikhin表現などの重要なクラスの表現について成立することがHernandez(2006)などの結果からわかっている。われわれは、2005年に導入した格子パスの方法によりC型およびD型の場合についてq指標の明示公式の研究を行っているが、その過程において、以下の2つの事実を見いだした。 1)FMアルゴリズムが途中で中止される表現の例を見いだした。すなわちFrenkel-Mukhinの予想の反例を与えた。 2)1のアルゴリズムの失敗の原因は、一般に与えられたウエイト単項式を含む量子アフィンsl(2)指標が一意的に定まらないことにある。しかし、われわれの格子パスによりウエイト単項式をパラメトライズすることによりこのような任意性が解消される。このことを用いて、C型およびD型の歪ヤング表現に対して、格子パスによるFMアルゴリズムの改良を与えた。 改良されたFMアルゴリズムを用いて、C型およびD型の歪ヤング表現のq指標を与えることが目下の課題であり、現在中井氏、Hernandez氏らと共同研究を行っている。
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