2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540021
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 知樹 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (80227842)
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Keywords | 量子群 / 多元環 / クラスター代数 / T-system |
Research Abstract |
研究代表者は、量子群の有限次元表現に関していろいろな研究を行った。特に、 1.T-systemの周期性定理と予想(井上、伊山、国場、鈴木氏との共同研究、プレプリントとして発表) 2.C型極小表現のq指標公式(Hernandez氏との共同研究、発表予定) に関する重要な結果を得ることができたので、以下にその概略を記す。 1. Fomin-Zelevinskyは近年クラスター代数という新しい可換環を導入し、有限クラスター代数のDynkin図による分類を行った。これに触発された多元環の研究者たちは、道代数の表現の導来圏との類似を突き進め、クラスター代数の圏化としてクラスター圏を導入した。そこには変異の周期性現象が現れる。本研究は、この周期性を量子アフィン代数の有限次元表現の圏のGrothendieck環の観点から「T-systemの周期性予想」として定式化かつ一般化し、明示公式、行列式公式、そしてクラスター代数・クラスター圏の手法、などの方法を用いて種々の場合(特に、特にsimply lacedの場合に)についてその証明を与えた。この研究は、単にT-systemの周期性を示したにとどまらず、量子群の表現の圏と非可換代数の表現の圏の間にある新しい結びつきを与えた点に意義があり、この点について今後のさらなる研究を行いたい。 2. 量子アフィン代数の極小表現の構造はKirillov-Reshetikhin加群以外の場合はほとんど未知であるが、特にC型のminiscule型の極小表現について、ほとんどの場合に、そのq指標が中井・中西の先行結果にもとづいてパスを用いたJacobi-Trudi型の行列式やPfaffianにより与えられることを示した。
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Research Products
(2 results)