2009 Fiscal Year Annual Research Report
量子群のスーパー化および楕円化を含む一般化およびワイル亜群
Project/Area Number |
19540027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山根 宏之 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10230517)
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Keywords | ワイル亜群 / 無限次元Lie代数 / スーパーLie代数 |
Research Abstract |
Saeid Azam, Malihe Yousofzaderと共著の論文を2遍作成しRIMS PublicationとRIMS Kokyuroku Bassatsuに受理された。RIMS Publicationに受理された論文の内容はBDEFG型のLieトーラスと呼ばれる無限次元Lie代数の有限個の生成元と有限個の定義関係式による記述である。証明はそれほど簡単ではなくBermann-Moody学派のRecognition定理を本質的に必要とする。RIMS Kokyuroku Bassalsuに受理された論文の内容は以下の通りである。(1) アファインルート系の基の存在性を純代数的な証明で示した。この事実自体はマクドナルドによってトポロジーの用語を用いて示されていた。(2) 以前山根が行ったreduced-markedと呼ばれるクラスの階数が2以上の楕円Lie代数の有限個の生成元と有限個の定義関係式による記述を全ての階数が2以上の楕円Lie代数に対して拡張した。(3) 階数が2以上の楕円Lie代数のヌルルート空間の次元を求めた。楕円Lie代数のヌルルート達は2次元格子上に分布する。第1ステップとして(1) (2) の結果を使って原点を通る各直線の上にあるヌルルート達のルート空間の次元を与える公式を与えた。第2ステップとして全てのヌルルート空間の次元を具体的に与えた。第1ステップから第2ステップに至るのは容易ではなかった。証明の分かりやすい記述を見つけるのに数年を要した。 また山根は2名の学生の修士論文の作成の指導の過程でA-G型スーパー量子代数の有限次元既約表現の分類を得るのにワイル半群の最長元の既約表示のなかで特別に良いものがあってそれが使える事に気がついた。A-G型の単純Lie代数の有限次元既約表現の分類においてもワイル群の最長元を用いれば証明は分かりやすいものになるがその事を指摘している文献は見当たらない。最近、スーパーLie代数の既約指標がSerganova, Brundanらによって解明されつつあるが上記のワイル半群の最長元を用いる考え方が新しい側面を与えるのではないかと期待する。実際、以前、山根はHeckenbergerとの共同研究で一のべき根で定義される(スーパーを含む)量子群のシャポバロフ行列式の因数分解を与える公式をワイル半群の最長元を用いて与えた。
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Research Products
(6 results)