2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540031
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 裕史 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40192794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 雄二 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00135302)
中村 博昭 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60217883)
石川 佳弘 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (50294400)
池田 岳 岡山理科大学, 理学部, 講師 (40309539)
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Keywords | 対称群 / シューア函数 / Q函数 / 混合基底 / 単因子 |
Research Abstract |
対称群のモジュラー表現論を非線型微分方程式系に応用することを念頭に置いて研究をおこなった.2被約シューア函数をシューアのQ函数で展開した時に現れる係数は非負整数であることが既に知られており,Stembridge係数と呼ばれているが,その表を行列の形に書いたものと,対称群の標数2のモジュラー表現論に現れる分解行列との類似性に気がついた.互いに「列基本変形」で移り合うことを証明し,単因子がカルタン行列のそれと一致することを見た.この事実をもとにして,対称函数の空間の「混合基底」を導入し,シューア函数をこの混合基底で展開した時の係数が整数になることを発見した.この発見の萌芽はすでに前年度の研究に会ったのだが,今年度の精密な研究により,論文として報告できるくらいまで成熟した.この混合基底はこれからアフィンリー環の表現論や非線型微分方程式系で重要な意味を持ってくると思う.現在ではまだ標数2に対応する場合しか得られていないが一般の標数でも同様の混合基底の存在が期待される.その際,いわゆるブラウアー・シューア函数がうまく機能すると信じている,今後の課題として残っている.さて標数2の場合に戻る.シューア函数と混合基底,私は二つの基底の間の変換行列を問題にした.その行列式および単因子について,それらが2の冪になるという,非自明な結果を得た.その単因子については予想式はつい最近得られたのだが,まだ証明できないでいる.これも今後の課題である.
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Research Products
(3 results)