2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540039
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
権 寧魯 Kyushu University, 大学院・数理研究院, 准教授 (30302508)
|
Keywords | 双曲多様体 / セルバーグ跡公式 / 重み付軌道積分 / セルバーグぜータ関数 / ルエルゼータ関数 |
Research Abstract |
今年度は、非コンパクトなカスプ付双曲多様体に対するセルバーグ跡公式について、セルパーグぜータ関数やエルぜータ関数への応用念頭において研究した。非コンパクトな双曲多様体に対するラプラシアンのスペクトルには離散スペクトルに加えて連続スペクトルも現れるなど、一般には跡族ではない。また、跡公式の幾何学辺には単位元、双曲的元に加えて、放物的元の寄与も現れるなどコンパクトな場合に比較して非常に複雑になっている。今回は、さらに非自明なKタイプをもつ試験関数に対して、跡公式を明示的に書き下す必要があり、跡公式の"不変部分"を取り出すのは困難に思われた。fundamental表現をKタイプにもつ試験関数に対して、セルバーグ跡公式の幾何学的辺の各局所項を詳細に調べることによって、セルバーグ跡公式の"不変部分"を取り出すことが出来た。特に、放物的元からの寄与である"重み付軌道積分"のフーリエ展開について、より明示的な公式を得た。今回得られた明示的な"不変"セルバーグ跡公式を用いて、セルバーグぜータ関数、ルエルゼータ関数について以下の結果を得た:(1)非コンパクトなカスプ付双曲多様体に対する、非自明なKタイプを持つセルバーグぜータ関数の全平面への有理型解析接続、零点・極の決定、関数等式を示した。(2)非コンパクトなカスプ付双曲体に対する、ルエルゼータ関数の全平面有理型解析接続、原点における特異位数の明示公式、関数等式を示した。
|
Research Products
(2 results)