2007 Fiscal Year Annual Research Report
数式処理ソフトを利用した保型形式と保型関数の理論の研究
Project/Area Number |
19540040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小池 正夫 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 教授 (20022733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂内 英一 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10011652)
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Keywords | テータ級数 / extremalな保型形式 / 合同式 |
Research Abstract |
Extremalな保型形式についてスローンらが、そのn乗根がまた整数になる場合があることを発見して、そのようなnを調べている。nが2または3のべきの場合が難しくて興味がある。今年度は数値例の計算から、Extremalな保型形式のn乗根のフーリエ係数が整数になる場合には、この保型形式がより単純なテータ級数とmodulo 4nまたは9nに関する合同式が存在することが予想された。これは今までには知られていない合同式であった。その証明は、保型形式の理論をたくみに利用することで得られた。この結果の応用としてて、スローンらの結果に新たな発展を追加できることがわかった。スローンらは、ランクがnのextremal even unimodular なlatticeのテータ級数のn乗根のフーリエ係数が整数になることを、nが特は、ウェイトがn/2のextremalな保型形式になる。我々が証明した合同式からウェイトがkのextremalな保型形式の4k乗根はかならず整数でないフーリエ係数をもつことが結論できる。また6k乗根についても同様な結果が得られる。数式処理ソフトがなければ、このような合同式をみつけることはできなかったと思われる。Extremalな保型形式は組合わせ論で利用されていたが、数論的にも興味ある性質を持っていることがわかった。ここで考えたのはmodular群に関するextremalな保型形式であるが、他の群に対しても、extremalな保型形式が定義されている。その場合にも、数値実験では似たような合同式の存在することが確認されている。
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