2007 Fiscal Year Annual Research Report
退化代数曲線族のモジュライ写像及びモノドロミーを通じた局所不変量の研究
Project/Area Number |
19540047
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
足利 正 Tohoku Gakuin University, 工学部, 教授 (90125203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 一宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10186869)
石田 弘隆 宇部工業高専, 一般科, 講師 (30435458)
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Keywords | 退化 / モノドロミー / 代数曲線 / 局所化 / モジュライ / 代数曲面 / 符号数 / ファイバー空間 |
Research Abstract |
主な研究目標であった局所符号数の明示公式に関しては、特に奇数種数の最大ゴーナル曲線族および主数4のEisenbu-Harris一般な曲線族について次のような成果が得られた。 まず、吉川謙一氏との共同研究によって、Deligne-Mumfordコンパクト化上に符号数因子なるものを一般に導入し、それの有理線形同値類の中で、Harris-Mumford公式及びEisenbud-Harris公式によって書きかえたものを用いると、上の曲線族に引き戻すことによって具体的な局所符号数表示が得られた。 次に非安定的な曲線族の場合は、次のような方法で、安定還元に伴う符号数の変化量をモノドロミー情報を用いて明示的に表すことができ、従って問題を安定族の場合に帰着できることがわかって前者と繋がった。すなわち、Nielsen-Matsumoto-Montesinosの位相モノドロミー情報は安定族への巡回群作用の情報に読み替えられるが、これからオービフォールド指数定理を応用することにより、ファーバー芽に対するエータ不変量の変化量をこの情報で書き下すことができた。その際、必要になったDeddkind和について、この量自身を負型連分数展開のデータによって明示的に書き下す公式を得た。 だたHorikawa指数については、今野一宏氏が定式化したものと、我々の方法によるものとの一致性はまだ確かめられておらず、現時点では予想を立てているに留まってい。 これらの成果は、構想自身はほぼ10年近く暖めていたのであったが、平成19年度において結実し、計3編の論文(うち単著1編、吉川氏との共著1編、石坂氏との共著1編)にしたため、現在投稿中である。 また平成20年3月に、この科研費を含む複数の科研費を用いて、東北学院大学で代数幾何・トポロジー双方に関連する中規模以上の研究集会を開き、研究交流にも貢献した。
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