2008 Fiscal Year Annual Research Report
退化代数曲線族のモジュライ写像及びモノドロミーを通じた局所不変量の研究
Project/Area Number |
19540047
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
足利 正 Tohoku Gakuin University, 工学部, 教授 (90125203)
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Keywords | 符号数 / 局所化 / モノドロミー / モジュライ空間 / リーマン面 / 複素曲面 / ファイバー空間 / 退化 |
Research Abstract |
研究目標であった局所符号数の明示公式については、昨年度までの研究により一定の成果を得ているので、本年度は、その細部の修正を行ったり、我々の公式の適応例を広げたり、今後の発展の方向性を探ることを中心に行った。 まず吉川謙一氏とのDeligne-Mumfordコンパクト上の符号数因子に関する共同研究については、Harris-Mumford及びEisenbud-Harris公式から得られる具体的安定族への適応例を充実させた。特に種数4の一般族については、非特異臨界ファイバーについての良い観察が得られた。この共著論文は、数年以上にわたる議論や準備期間を経て、本年度中に出版可(accept)となった。 次に単独で進めている局所符号不足数の研究、つまりファイバー芽のリンクのエータ不変量の安定還元による変動項の研究は、投稿論文を現在も改訂している所である。特に松本・Montesinosの意味のK=-1を満たすnon-amphidromeアニュラスのモノドロミー不変量からの寄与項を修正した。また安定還元のプロセスも、通常の方法とは異なるものを構築した。 上記2つの研究を組み合わせ、ファイバー芽のエータ不変量そのものの明示公式を得ることは、モジュライ上の計量の選択の問題もあり、今後の課題と思われる。 また2008年9月に、この科研費を含む複数の科研費を用いて、群馬県草津セミナーハウスにおいて、「特異点と多様体」をテーマとする国際研究集会を、都丸正、臼井三平、今野一宏の三氏と共に主催した。代数幾何・トポロジー・複素解析等の境界分野の研究交流に寄与したものと自負している。
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