2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540048
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Research Institution | Jobu University |
Principal Investigator |
別宮 耕一 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60364684)
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Keywords | 群論 / 符号理論 |
Research Abstract |
ムーンシャイン頂点作用素代数は中心電荷24の枠付き頂点作用素代数である。近年、Lam-山内両氏の理論によって、中心電荷24の枠付き頂点作用素代数は、長さ48の立方重偶符号とある種の対応関係にあることが明らかにされた。このことからムーンシャイン頂点作用素代数の位置付けを明らかにするために、長さ48の立方重偶符号の分類を行うこととした。 長さ32までは、素朴な総当たりアルゴリズムによって立方重偶符号の分類は可能であった。その結果、立方重偶符号はすべて長さが半分の重偶自己双対符号を並べて構成される符号のみであり、次元についても単純な規則性に従っていることが明らかとなった。 通常、総当たりアルゴリズムの計算量は長さの指数関数となっているため、長さ48の分類を完成させるためには総当たりアルゴリズムは有効ではない。そこで、昨年度までの研究成果として、新たなアルゴリズムを考案し、分類を完成させることができた。その結果、それまでの規則性に反する新たな極大立方重偶符号の存在を確認するに至った。その極大立方重偶符号は、三角グラフと呼ばれるものに由来する構造を備えており、その次元や構造は他の極大立方重偶符号と比較して規則性から外れた性質を有していた。 本年度は、ここまでの成果を踏まえ、分類に現れる符号の構造について分析を行い、そこに現れる三次形式とそれらの集合がなす群について研究を行い、いくつかの興味深い性質を見出すことに成功した。同時に、その結果は分類アルゴリズムの改善につながり、分類結果を再計算することによって容易に検証できるところまで計算量を減少させることができた。これらの結果は連携研究者の宗政昭弘氏との共同研究という形で一編の論文としてまとめ、出版手続きを進めている。同時に分類プログラム、分類結果のデータはwebページにて公開している。
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