2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540055
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
楫 元 Waseda University, 理工学術院, 教授 (70194727)
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Keywords | 代数幾何学 / 射影多様体 / ガウス写像 / 射影双対 / 再帰的 / 分離拡大 / セグレ積 |
Research Abstract |
深澤知氏(日本学術振興会特別研究員,受入機関:早稲田大学理工学術院)との共同研究により,標数p>0の基礎体上定義された射影多様体のガウス写像および射影双対に関する再帰性について研究を行った.これは研究課題である射影多様体の割線多様体を研究するための準備段階に相当するが,十分な成果を上げられたと思う. 具体的には,与えられた代数多様体に対してその射影モデルのガウス写像の(微分の)階数がどのような値を取り得るか明らかにした.特に任意の代数多様体はガウス写像の階数が零となる射影モデルを持つことを示した.これは研究代表者による射影代数曲線に関する論文「On the Gauss maps of space curves in characteristic p (Compositio Math.70 (1989),177--197)」の結果のひとつの高次元化となっている.次に,代数多様体を(同型を保って)埋め込んだ場合に対するガウス写像の階数に関して考察し,標数がp>2の場合には射影空間の積にはガウス写像の階数が零となる埋め込みが存在しないことを示した.以上の成果は論文「Any algebraic variety in positive characteristic admits a projective model with inseparable Gauss map」に纏め現在,学術雑誌に投稿中である. さらにこの成果から発展して,深澤氏および早稲田大学大学院博士後期課程在学中の古川勝久氏との3人による共同研究を開始した,これについてはまだ論文を纏めるに至っていない.
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