2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540056
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上野 喜三雄 Waseda University, 理工学術院, 教授 (70160190)
|
Keywords | 多重対数関数 / 多重ゼータ値 / KZ方程式 / ドリンフェルト・アソシエータ |
Research Abstract |
今年度の前半は,2007年4月に刊行された「数理解析研究所講究録1549;多重ゼータ値の研究」に掲載された論文『2変数多重対数関数の接続問題と多重ゼータ値の複シャッフル関係式,及び,2重対数関数の5項関係式』と2006年度日本数学会秋季総合分科会における企画特別講演『多重ゼータ値と多重対数関数』の二つの成果を受けて,この結果を2次元共形場理論から見直すことを試みていた.目指すところは,副巾零な共形場理論の構築であり,その相関関数がみたすホロノミック系は形式的KZ方程式である.この試みは現在でも続けているが,まだ完成には至っていない.後半は,形式的なKZ方程式の具体的な表現がどれくらいあるのか,つまり,表現のモジュライについて考察を始めた.具体的に述べると,1変数の形式的KZ方程式の半単純な階数2の表現はガウスの超幾何徴分方程式で与えられる.つまり,このような表現のモジュライは3次元の複素多様体の構造が入るのである.それではガウスの超幾何微分方程式の階数3の2変数KZ方程式への延長はどれくらいあるのか?このような単純極まりない問題がこれまで考察されることなく放置されてきたことは驚くべきことである. 今年度はこうした研究の進展に伴って,東京工業大学の三町勝久氏(07年4月21日),神戸大学の野海正俊氏(08年2月1日),山田泰彦氏(08年2月1日),苫小牧工業高専の三橋秀生氏(08年2月8日),小山工業高専の森田英章氏(08年2月8日),岡山大学の山田裕史氏(08年3月28日)らを招いて,可積分系,特殊関数,ヘッケ環・鏡映群,カッツ・ムーディ・リー環の表現論についての講演会を開催した.
|
Research Products
(1 results)