2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540056
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上野 喜三雄 Waseda University, 理工学術院, 教授 (70160190)
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Keywords | 多重対数関数 / 多重ゼータ値 / KZ方程式 / ドリンフェルト・アソシエータ |
Research Abstract |
本年度は,これまでの研究成果をまとめた論文を執筆した.現状ではその暫定版である「The formal KZ equation on the moduli space \mathcal{M}_{0,5} and the harmonic product of multiple zeta values」(大井周氏と共著)を電子アーカイヴ上で公表している.これに関連して,つぎの二つの講演を行った. (1)数理研研究集会「表現論と組合せ論」(研究代表者,森田英章(室蘭工大),2009年8月25日-28日,於北大)における招待講演(大井周氏との共同発表) 『Iterated Integrals and relations of multiple polylogarithms』 (2)日本数学会秋季総合分科会於大阪大学2009年9月24日~27日 (無限可積分系セッション)一般講演(大井周氏との共同発表) 『2変数KZ方程式の解の変換理論とdilogarithmの5項関係式』 (1)においては,2変数KZ方程式がモジュライ空間\mathcal{M}_{0,5}の基本群のリー環\mathcal{X}から自然に決まることを述べた後,その基本解を反復積分表示するときに必要になる微分形式の代数がリー環\mathcal{X}の普遍展開環のホップ代数として双対になることを示した.これにより基本解の分解定理が微分形式のつくる代数の分解に還元できることがわかる.また,基本解の分解定理からは多重ゼータ値の調和積が自然に導かれることが証明できるので,以上より,多重ゼータ値の調和積がモジュライ空間\mathcal{M}_{0,5}の幾何学から説明されたことになる.(2)においては,2変数KZ方程式の基本解の接続問題からdilogarithmの5項関係式を導いた.
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Research Products
(3 results)