2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540061
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
長岡 昇勇 Kinki University, 理工学部, 教授 (20164402)
|
Keywords | 整数論 / モジュラー形式 |
Research Abstract |
当該年度の研究目標は (1)「p進モジュラー形式」の多変数モジュラー形式への一般化、とくに前年度までに得た「p進アイゼンシュタイン級数の理論」をカスプ形式に拡張する。 (2)正標数のモジュラー形式」の理論の多変数モジュラー形式への一般化 であった。 (1)「研究課題については、今年度中に成果を得た。これはp進カスプ形式の具体的構成に成功したことである。具体的には、ある種のジーゲル・カスプ形式をジーゲル・アイゼンシュタイン級数とエルミート・アイゼンシュタインのジーゲル上半空間の差として構成し、そのp進極限を観察することにより得られたものである。この成果は論文「On restriction of Hermitian Eisenstein series」としてまとめられ投稿中である。 (3)研究課題については、エルミート・モジュラー形式へ拡張することができた。多変数モジュラー形式の典型的な例であるジーゲル・モジュラー形式の場合は、当該報告者による研究があるが、他のモジュラー形式の場合は、対応する結果が得られていなかった。この研究期間において、報告者は判別式が-3と-4の虚2次体上の2次のエルミート・モジュラー形式の場合に、pを法とする次数付環の構造を決定した。その構造は、ジーゲル・モジュラー形式の場合と著しい類似がある。すなわち、多項式環をある単項イデアルで割った形をしており、この結果が単にジーゲル・モジュラー形式やエルミート・モジュラー形式について成立しているということではなく、一般の多変数のモジュラー形式に共通の現象であるかは、今後の研究課題であると思われる。なおこの研究成果は論文「On Hermitan modular forms mod p」としてまとめられ投稿中である。またその概要について2009年9月に行なわれた日本数学会の総合分科会で発表された。
|
Research Products
(2 results)