2008 Fiscal Year Annual Research Report
幾何解析を用いたスカラー曲率一定な超曲面の構成の研究
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19540062
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡安 隆 Ibaraki University, 教育学部, 教授 (00191958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 伸顕 茨城大学, 教育学部, 教授 (20130768)
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Keywords | 第二基本形式 / 超曲面 |
Research Abstract |
今年度は昨年度の研究「cohomogeneityが2である一般化された完備回転超曲面で, 第二基本形式の長さが一定なもので合同でないものが無限個構成できる」を踏まえて, 一般のRiemann多様体上に第二基本形式の長さが一定なコンパクト超曲面が存在するかを研究し, つぎの結果を得た. 定理(M, g)をRiemann多様体とし, p_0をスカラー曲率関数の非退化なcritical pointとする. このときp_0を中心とする十分小さな距離球面は, 微小変形することにより第二基本形式の長さを一定にできる. 一般のコンパクトなRiemann多様体において, スカラー曲率が最大, 最小をとる点は非退化なcritical pointになるから, ほとんどすべてのコンパクトなRiemann多様体は第二基本形式の長さが一定な閉超曲面をもっといえる. この結果は, 平均曲率についてはR.Yeが, 高次の平均曲率についてはF.Mahmoudiが証明していた. 証明の手法は以下のようである. まずpを中心とする十分小さな距離球面について, 小さな関数φだけ法線方向に変形した超曲面の第二基本形式を計算する. つぎに, 第二基本形式の長さ一定を表す方程式を, 単位球面上の作用素Δ+nの核の直交補空間へ射影したものを解く. 得られた解をφ_pとする. つぎに, 点pをp_0の近くで動かすことにより, 方程式をΔ+nの核空間に射影したものをみたす点pが存在することを示す(つまりφ_pが求める真の解になる). ここに, degree theoryを使う(非退化なcritical pointという仮定がここで使われる).
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