2009 Fiscal Year Annual Research Report
幾何解析を用いたスカラー曲率一定な超曲面の構成の研究
Project/Area Number |
19540062
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡安 隆 Ibaraki University, 教育学部, 教授 (00191958)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 伸顕 茨城大学, 教育学部, 教授 (20130768)
|
Keywords | 超曲面 / スカラー曲率 |
Research Abstract |
今年度は昨年度の研究「ほとんどすべてのコンパクトなRiemann多様体は,第二基本形式の長さが一定な閉超曲面をもつ」を踏まえて,一般のRiemann多様体上にスカラー曲率が一定なコンパクト超曲面が存在するかを研究し,つぎの結果を得た.定理(M,g)をRiemann多様体とし,pをスカラー曲率関数の非退化なcritical pointとする.このときpを中心とする十分小さな距離球面は,微小変形することによりスカラー曲率を一定にできる.一般のコンパクトなRiemann多様体において,スカラー曲率が最大,最小をとる点は非退化なcritical pointになるから,ほとんどすべてのコンパクトなRiemann多様体はスカラー曲率が一定な閉超曲面をもつといえる.この結果は,平均曲率についてはR.Yeが,高次の平均曲率についてはF.Mahmoudiが証明していた.証明の手法は昨年度の研究方法と同じであり,方程式を2段階に分けて解く.まず任意の点qを中心とする十分小さな距離球面について,小さな関数φだけ法線方向に変形した超曲面のスカラー曲率を計算する.つぎに,単位球面上の作用素Δ+nの核空間をVとする.スカラー曲率一定を表す方程式Eを,球面上のなめらかな関数の作る空間でのVの直交補空間を考え,そこへ射影したものを解く.得られた解をφqとする.つぎに,点qをpの近くで動かすことにより,方程式EをVに射影した方程式をみたすφpが存在することを示す(つまりφpが求める真の解になる).ここに,degree theoryを使う(非退化なcritical pointという仮定がここで使われる).昨年度の研究と本年度の研究結果は日本数学会秋季総合分科会で発表した
|
Research Products
(2 results)