2008 Fiscal Year Annual Research Report
HOMFLYとKauffman多項式による量子不変量の漸近挙動の研究
Project/Area Number |
19540071
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川越 謙一 Kanazawa University, 数物科学系, 講師 (50293337)
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Keywords | トポロジー / 結び目 / 量子不変量 |
Research Abstract |
colored Jones多項式の特殊値の極限がその結び目の捕空間の体積と一致するであろうという「体積予想」はいくつかの例で検証されているが、いまだに証明されてはいない。そこで、本研究では1変数多項式不変量であるJones多項式を2変数へと拡張したHOMFLY多項式とKauffman多項式を用いて、幅広い観点から体積予想を検証するのを目標とした。2年度はHOMFLY多項式に関した補題がいくつか用意できたので、8の字結び目以外の結び目に対してHOMFLY多項式の数値計算を詳しく行った。具体的にはツイスト結び目の族とホワイトヘッド絡み目である。これらも8の字結び目の値と同様に、もう1つのパラメータを動かすと収束が遅くなる現象や、さらには体積よりも大きな値や小さな値をとることが分かった。この研究により、Jones多項式による「体積予想」の先にある研究対象が何であるかを見出せると期待したい。 上記の研究は結び目のスケイン理論を用いるが、これらがブレイド群のホモロジカルな表現とも関係していることが見出だせた。特に、結び目の紐が線積分の積分区間そのものに対応していることが分かった。これにより積分区間の変形が、そのまま結び目の変形に対応し、積分区間の記述が簡単になると期待される。これらは表現論の分野と関係しており、他分野との交流が活発になることも期待される
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