2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
葉廣 和夫 Kyoto University, 数理解析研究所, 講師 (80346064)
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Keywords | Jacobi図 / Hopf代数 / Chevalley-Eilenberg複体 / Y-clasper / ホモロジー球面 / Kirbyの定理 / 完備化 / 解析関数 |
Research Abstract |
今年度中に、研究発表欄にあげた2報の論文を出版した。今年度中に実質的に完成させた論文はなかったが、下記の事項について研究し、現在も研究を継続している。 1. Jacobi図はKontsevich-LMO不変量などの有限型不変量の研究に現れるグラフであるが、Jacobi図のなす空間を利用して、Lie代数のChevalley-Eilenberg複体や、Lie代数の普遍包絡環のbar複体の、Lie代数によらない普遍的な類似物を構成することができる。これらの複体の構造について、G.Massuyeau氏と共同で研究を進めている。 2. 枠付き絡み目に対するKirbyの定理は、3次元多様体を枠付き絡み目を通して研究する重要な手段を与えている。3次元球面を有限個のY-link(Y-clasperの有限個の非交和)に沿って手術することにより、任意の整係数ホモロジー球面を得ることができるが、Y-linkたちに対するKirby型の定理、すなわち、Y-linkに対する有限個の種類の操作で、それが生成する同値関係によるY-linkの集合の商が整係数ホモロジー球面の向きを保つ同相類の集合と一致するようなものは、まだ知られていない。これについて、J.B.Meilhan氏と共同で研究を進めている。証明のための大まかな方針はできたので、早期に完成できると期待している。 3. 以前の研究で、多項式環Z[q]のある完備化を定義し、それに値を持つ整係数ホモロジー球面の不変量で種々の1の巾根におけるReshetikhin-Turaev不変量を統一するものを定義したが、このような完備化を、より一般の可換環に対して定義し、その性質について研究している。Z[q]の完備化のときと同様に、解析関数の環のような性質を満たすことが証明できるが、そのような性質を満たすための条件について調べている。
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Research Products
(4 results)