Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 和彦 京都産業大学, 理学部, 教授 (30065883)
加藤 久男 筑波大学, 数理物質科学研究科, 教授 (70152733)
酒井 克郎 筑波大学, 数理物質科学研究科, 准教授 (50036084)
小山 晃 静岡大学, 創造科学技術大学院研究部, 教授 (40116158)
保坂 哲也 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (50344908)
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Research Abstract |
多様体M上で,与えられた幾何構造を保つ(微分)同相写像の成す群の位相的・代数的性質の解明は,幾何学の研究において重要なテーマの1つである.この研究は,コンパクト多様体に関して進展し,多くの重要な結果を生み出すと共に,その理論が体系化されてきた.しかし,非コンパクト多様体に関しては部分的な結果に留まり,その理論的な枠組みは整理されていない.本研究では,非コンパクトな多様体の(微分)同相群に関する体系的な研究を目標としている.本年度の研究成果は,次の様に要約される. 多様体M上で測度mが与えられたとき,mを保存する同相写像全体の成す群の内部構造を解明することは,幾何・力学系の分野で興味のある問題である.Mが非コンパクト多様体のときには,mを保存しエンド(無限遠点)を固定する同相写像hに対しては,hにより各エンドに向かう測度の移動量(エンド・チャージ)sを測る事が出来る.我々は,移動量sを与えたときに,この移動量を持つ同相写像hが実現できるかという問題を考察し,sに対してhを連続的に構成できる事を示した.すなわち,mを保存しエンドを固定する同相写像h全体の成す群Gからエンド・チャージs全体の成す位相線形空間Vへのエンド・チャージ準同型と呼ばれる連続準同型cが連続なセクションを持つことを示した.これにより,準同型cの核が群Gの強変形レトラクトとなることがわかり,Gの構造の理解が1歩前進した.次の問題は,準同型cの核とmを保存するコンパクト台を持つ同相写像全体の成す群G_cの関係の解明であり,準備として,非コンパクト多様体におけるmを保存する同相写像に関する拡張定理に関しての研究が前進している.また,非コンパクト多様体上の(微分)同相写像の成す群にWhitney位相と呼ばれる位相を入れた場合の,この位相群の位相型の研究も共同研究により進展している
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