2007 Fiscal Year Annual Research Report
幾何学的手法を基軸とした三次元多様体の研究とその広がり
Project/Area Number |
19540083
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小林 毅 Nara Women's University, 大学院・人間文化研究科, 教授 (00186751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 靖 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (70239987)
片桐 民陽 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (60263422)
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Keywords | Heegaard分解 / 臨海リーマン計量 / メビウス変換 / 結び目 / トンネル数 |
Research Abstract |
片桐ははリーマン計量全体の中の臨界リーマン計量に関して研究を行った..山下は2元生成メビウス変換群と3次元双曲幾何学との関連について研究を行った。小林は三次元多様体のHeegaard分解,写像類群を利用した流体の混合に関する研究を行った.これらに関して次の結果が得られた. ・ 2元生成メビウス変換群が「type preserving」という性質をみたす場合の性質を明らかにした.この条件をみたさない場合についてさらに研究を行うための計算機実験も行った。 ・ 高いHempel距離を持つHeegaard分解を許容する三次元多様体を境界で貼りあわせて得られる三次元多様体の既約なHeegaard分解は必ず上記の高いHempel距離を持つHeegaard分解の融合(amalgamation)になっていることを示した.これはこのような多様体のHeegaard分解には強い剛体性が成り立つことを示すものである. ・ 任意の三次元多様Mが与えられたとき,その単体分割の3単体の個数に対して,ある定数Cで次の条件を満たすものが存在することを示した.Mの任意の種数がC以上のHeegaard分解のHempel距離は2以下である.この事実はSchleimerによって既に知られていたものであるが,本研究では,このCの値の評価を大幅に改良することに成功している. ・ 結び目のトンネル数が連結和で退化するとき,元のトンネルの和集合で与えられるトンネルが定めるHeegaard分解がdestabilizeできる必要十分条件を与えた.さらに具体的な例でそのようなdestabilizationが実際におきているものがあることを示した.このような現象は今回始めて明らかになったものである.
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Research Products
(6 results)