2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540087
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
島川 和久 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70109081)
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Keywords | 幾何学 / トポロジー / ホモトピー論 |
Research Abstract |
本年度は、過去2年間の成果を見直し、将来の応用を見据えて理論の再構成を行った。とくに、理論の枠組みである位相空間の圏の構成に関して、以下に記すように大きな前進があった。すなわち、先に構成した位相空間とその間の数値的連続写像からなる圏STOPは、実は微分空間(diffeological spaces)の圏の充満部分圏に同値であり、そのデカルト閉性は、微分空間の圏のデカルト閉性と両立するものであることが確かめられた。さらに、位相空間の圏Topと微分空間の圏Diffの間の随伴関係を通して、STOPは数値生成空間(すなわち、ユークリッド空間の開領域からの連続写像すべてからなる族に関する始位相をもつ空間)のなすTopの充満部分圏NGと自然に同値であることが示され、この事実から、NGが、いわゆる"Convenient category of topological spaces"であり、ホモトピー論を展開する上で極めて有用であることが判る。これにより、双変関手が一般コホモロジー理論を定義するための条件設定が単純化され、証明もより厳密化することができた。また、NGがDiffの充満部分圏であるという事実は、双変関手による一般コホモロジー理論の構成を、より微分トポロジー的研究に役立つ形で一般化することが可能であることを示唆しており、この意味でも極めて興味深い。一方、より具体的な研究成果としては、大学院生の吉田耕平によるチェック・コホモロジーを定義する双変関手の構成を挙げることができる。
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Research Products
(1 results)