2010 Fiscal Year Annual Research Report
ファノ多様体の組合せ論とその佐々木・アインシュタイン多様体への応用
Project/Area Number |
19540098
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
橋本 義武 東京都市大学, 知識工学部, 教授 (20271182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 洋史 東京都市大学, 知識工学部, 准教授 (80343739)
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Keywords | モジュライ空間 / 共形場理論 / 量子群 / D加群 |
Research Abstract |
ファノ多様体の組合せ論は,代数幾何・表現論・数理物理に関係している. ファノ多様体の重要な例として,種数0の点つき安定曲線の族があり,その組合せ論は散在型単純群とも関わる.2009年度につづいて2010年度も土屋昭博教授(東大IPMU)と,安定曲線の族の上の共形場理論の研究を進めた. 退化した曲線における共形場理論,特に因子化定理については,従来,非半単純型の場合はよくわかっていなかった.今回,その正しい定式化と証明に向けて,いくつかの補題の証明を完成させることができた.頂点代数のカレント代数のポワソン・フィルトレーションを,C2有限性条件のもとで解析することにより,正則両側加群という基本概念を構成することが鍵である.論文を現在作成中である.正則両側加群と,東屋代数やヒルベルト・スキームとの関係も見えてきている.この1年のAGT予想に関する諸研究の進展との関連も意識している. また,非半単純型頂点代数の表現論と量子群の表現論との対応,とくにテンソル積の対応についても,共同研究が進展している.その間をつなぐのが,超平面配置の空間上の偏屈層の理論である因子化可能層の枠組みである.特にテンソル積の対応は微妙な問題であり,従来の諸研究では試行錯誤があったが,高階圏の観点から理解すべきであることがはっきりしてきた.それは,現在ある因子化可能層の理論を無限圏を用いた定式化によって書き直す必要があるということでもある.これは2009-2010年度におこなった共同研究につづいて現在も進行中である.
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Research Products
(7 results)