2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540099
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森吉 仁志 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (00239708)
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Keywords | 幾何学 / 位相幾何学 / 非可換幾何学 / 指数定理 / K理論 / エータ不変量 / 葉層構造 / Godbillon-Vey不変量 |
Research Abstract |
本研究では非可換幾何の枠組の下に、葉層構造が関与する指数定理と境界付多様体上での指数定理の一般化を行った.とくに「捩れK理論」や「コサイクルで捩ったC^*群環」をとりあげ,この概念が関与する指数定理の導出を探った.捩れK理論やコサイクルで振ったC^*群環などは,基本群の大きい多様体に対して興味深い振舞いをする.従ってこのような指数定理を無限次被覆空間や葉層多様上で研究することが重要となる.今年度は具体的に以下の2つの結果を得た. 1)コンパクト複素多様体において、Gromovにより導入された「ケーラー双曲的」という概念がある.この概念を緩めた「K-aspherical」という条件の下では、ケーラー型式を普遍被覆空間上に引き戻すと完全型式であり、従って対応する基本群の2-コサイクルで捩ったC^*群環を考えることができる.このC^*群環のK群に値をとる指数定理を確立し、代数幾何におけるGreen-Lazarsfeldの消滅定理に関連して、複素多様体の算術種数に関するいくつかの不等式評価を導いた. 2)既に昨年度Atiyah-Patodi-Singer指数定理を非可換幾何の枠組で定式化し、さらに無限次被覆空間や境界付多様体上の葉層構造に対する拡張を行ったが、この定理を高次元の葉を持つ葉層多様体に拡張した(P.Piazzaとの共同研究).これよりエータ不変量のみならず高次エータ不変量も相対巡回コホモロジーと相対K群のペアリングとして解釈することが可能となり、エータ不変量の幾何学的意義がより明確になった.
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Research Products
(7 results)