2007 Fiscal Year Annual Research Report
尖点形式の周期に対するヘッケ作用と位相不変量の研究
Project/Area Number |
19540101
|
Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
福原 真二 Tsuda College, 学芸学部, 教授 (20011687)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 治子 津田塾大学, 数学計算機科学研究所, 研究員 (40266276)
|
Keywords | 尖点形式 / 周期 / ヘッケ作用 / デデキント和 / 位相不変量 / 結び目 |
Research Abstract |
研究代表者が現在取り組んでいるテーマは、尖点形式に付随する一般デデキント和および周期の研究である。多様体の位相不変量や結び目不変量を研究する上でも、これらの関数は重要な役割を果たすことが予想される。そのような観点から代表者は尖点形式、一般デデキント和、および周期多項式の間の関連を調べて、三者に互換性のあるヘッケ作用が存在することを示した。その結果、尖点形式に対するヘッケ作用を明示的に書き下すことが可能になった。従来はEichler-Selbergの跡公式に見られるように2次体の類数を用いる公式であったが、代表者のものはベルヌーイ数と約数関数を用いる極めて初等的な公式である。これらの結果は論文「Explicit formulas for Hecke operators on cuspforms, Dedekind symbols and period polynomials, J.reine angew. Math. 607(2007),163-216に発表された。 もう一つ代表者が取り組んだ問題に、Dedekind symbols with plus reciprocity lawsがある。これは、デデキント和の相互法則の形が、D(p,q)-D(q,-p)=R(p,q)(minus reciprocity law)の形としていることに注目し、もしこれが、D(p,q)+D(q,-p)=R(p,q)(plus reciprocity law)の形であると、デデキント和の理論はどうなるかを調べた。その結果はplusとminusでデデキント和の理論はまったくことなること、さらにq/pの連分数展開とD(p,q)との関係を考えると、minusの方が自然である事が解った。結果は論文「Dedekind symbols with plus reciprocity laws, J.Number Theory128(2008),781-795」にまとめられた。 研究分担者は絡み目の不変量に関する結果を、研究集会で発表し論文を準備している。
|
Research Products
(2 results)