2009 Fiscal Year Annual Research Report
尖点形式の周期に対するヘッケ作用と位相不変量の研究
Project/Area Number |
19540101
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
福原 真二 Tsuda College, 学芸学部, 教授 (20011687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 治子 津田塾大学, 数学計算機科学研究所, 研究員 (40266276)
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Keywords | 保型形式 / 位相不変量 / 結び目 / デデキント和 / 尖点形式 / ヘッケ作用素 |
Research Abstract |
研究代表者は、前年度に引き続き台湾の研究者Yifan Yangとの共同研究を行った。その結果ディリクレ指標によりひねられたL-関数の特殊値を求める公式を見出した。この公式は、ひねられた尖点形式の周期多項式を明示的に表すものであり、ひねられたベルヌーイ数の言葉で記述されている。また、周期多項式の係数を見ることにより、L-関数の特殊値を知ることができる形になっている。ディリクレ指標に関係する分だけ途中の計算は複雑になったが、最終的な公式は、一種の跡公式として簡潔な形にまとめることができた。結果は共著論文「Twisted Hecke L-values and period polynomials, J.Number Theory, 130(2010), 976-999」にて発表した。 もう一つのテーマとしてelliptic Apostol-Dedekind sumsの研究も進めてきた。これは、Apostol-Dedekind sumsの楕円関数版であり、これ自身が保型形式の側面も持っているものである。さらにこの和は、多項式相互法則をもつ一般デデキント和の母関数の役割を果たす点でも重要であると考える。この和に関する研究結果も逐次発表する予定である。 研究分担者は絡み目の局所的変形に関する二つの論文「C_n-moves and V_n-equivalence for links, Tokyo J.Math., 32(2009), 381-393」および「SC_n-moves and the(n+1)-st coefficients of the Conway polynomials of links, Tokyo J.Math., 32(2009), 395-408」を発表した。これらは葉広和夫氏の導入したC_n-moveとVassiliev不変量の関係を、絡み目の場合に考察し新しい結果を得たものである。
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