2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540102
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
大山 淑之 Tokyo Woman's Christian University, 文理学部, 教授 (80223981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 康剛 神戸大学, 理学研究科, 教授 (70183514)
谷山 公規 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10247207)
小林 一章 東京女子大学, 文理学部, 教授 (50031323)
大阿久 俊則 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60152039)
吉荒 聡 東京女子大学, 文理学部, 教授 (10230674)
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Keywords | 結び目 / 空間グラフ / Vassiliev不変量 / pass move / 4頂点完全グラフ |
Research Abstract |
本年度は、結び目の局所変形を通してVassiliev不変量を研究することを第一の目的に、仮想結び目や空間グラフについても局所変形を通して、その性質を明らかにすることを第二の目的とした。空間グラフについては、Vassiliev不変量の観点からの研究も計画していた。 本年度の結果は、pass moveと呼ばれる局所変形に関するものと4頂点完全グラフK_4の埋め込み不変量に関するものである。 結び目全体の集合にΓ Gordian複体というものを定義する。頂点を結び目とし、m+1個の結び目の集合が互いに1回のpass moveで移りあうときm-単体であると定義する複体である。このΓ Gordian複体は、アルフ不変量が0と1の2つの成分からなっている。この複体に対し、どの頂点も任意に大きな次元の単体の面になっていること、Conway多項式が等しい結び目の対で、おのおのから1回のpass moveで得られる結び目のConway多項式の集合が異なるものが存在することを示した。ここで、Gordian複体とは、局所変形から定義される複体で、すでにVassiliev不変量と密接な関係にあるC_n-moveと呼ばれる局所変形に対しても定義され、研究されており、今回はpass moveに拡張したことになる。 空間グラフのVassiliev不変量を具体的に研究するには、空間グラフのambient isotopy不変量が必要となる。今年度はまず、山田多項式とよばれる空間グラフのregular isotopy不変量を、K_4に対してambient isotopy不変量に拡張した。K_4のVassiliev不変量を研究する準備を行ったことになる。次年度はこの結果をふまえ、K_4のVassiliev不変量を具体的に研究していく。
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