2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540107
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
塩濱 勝博 Fukuoka University, 理学部, 非常勤講師 (20016059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陶山 芳彦 福岡大学, 理学部, 教授 (70028223)
川久保 哲 福岡大学, 理学部, 助教 (80360303)
松浦 望 福岡大学, 理学部, 助教 (00389339)
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Keywords | リーマン計量 / 放射曲率 / リッチ曲率 / 測地線 / ハウスドルフ距離 |
Research Abstract |
点付き完備リーマン多様体の放射曲率と位相の研究に重要な役割を果たすToponogovの比較定理は参照空間がvon-Mangoldt回転面の場合には無条件で成立する.21年度研究では一般の回転面モデルに対するToponogovの比較定理は"generic"な測地三角形に対してのみ成り立つ事が解った.ここに,回転面モデルの切断跡の構造解明が重要である.切断跡の構造の研究を発展させて,Gilbert-Pollakが提唱した「平面内の樹のSteiner比に関する古典的問題」のDu-Hwangによる解決(Proc.Nat.Acad.Sci.USA ; 87 (1990), 9464-9466)が不完全である事を反例を挙げて示した. 放射曲率の概念を深く問い直した結果,放射曲率の条件設定は:(1)最も単純な場合がユークリッド空間内のコンパクト部分多様体上のモース理論をLipschitz-Killing曲率に結びつけたChern-Lashofの定理や高次元Gauss-Bonnteの定理であって、(2)次に単純な場合が定曲率一定完備単連結空間を参照空間とする通常の比較幾何学であり,(3)これを一般化して放射曲率の概念が生まれたと考えられる.この考察の自然な帰結として、正則断面曲率が一定の完備単連結空間(射影空間及び双曲空間で,係数体は特に指定しない!)内の余次元1完備部分多様体を考え,法ベクトルが定める曲率変換と型作用素との関連の中に,全く独創的な観点から,比較幾何学が展開できる.この様にして放射曲率と位相の研究は,正則断面曲率一定空間内のある種の超曲面論に発展させる事が出来た.この発想によって得られた初めての成果はHamada-Shiohamaによる射影空間内の距離球面の大域的特徴付けである.この結果に於いて主曲率を変動させる事によって超曲面と距離球面とのハウスドルフ距離を評価し、超曲面の微分構造を調べ,新しいタイプの球面微分同相定理が打ち立てられるだろう.
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Research Products
(3 results)