2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540114
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
種村 秀紀 千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40217162)
|
Keywords | ランダム行列 / 無限粒子系 / 非衝突過程 / ダイソン模型 / ベッセル過程 |
Research Abstract |
相関関数が行列式で表現される確率過程は、行列式過程と呼ばれている。非衝突条件を課した独立なN本のブラウン運動が、任意の初期値の下で行列式過程であることを前年度の研究で示したが、本年度はその一般化として非衝突条件を課した独立なN本の2乗ベッセル過程が、任意の初期値の下で行列式過程であることを示した。さらに、Nを無限大にしたときに無限次元行列式過程に収束することを証明し、緩衝現象を導いた。 (J.Stat.Phys.142,2011に掲載済み) 非衝突ブラウン運動に対して複素ブラウン運動表示という新しい表現を与えた。この表示を用いることより、これまでは直交多項式を用いて導出していたEynard-Mehta型の行列式相関関数を直接的に導くことができ、さらに、緊密性、無限系の非衝突性など道に関する性質を示すことができた。(論文は投稿中) 無限次元行列式過程に対するマルコフ性について研究を行い、サイン核、ベッセル核そしてエアリー核に対応する3種類の無限次元行列式過程に対してマルコフ性を証明した。特にエアリー核に対する結果は、この分野の未解決問題の一つであり重要である。(論文は投稿準備中)
|
Research Products
(3 results)