2008 Fiscal Year Annual Research Report
位相空間上の連続関数の拡張問題への集合論の応用の研究
Project/Area Number |
19540122
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大田 春外 Shizuoka University, 教育学部, 教授 (40126769)
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Keywords | 関数列の収束 / 位相空間 / 完全正規空間 / Scheepers予想 / QN空間 / wQN空間 / 至るところ第1類 / 可測濃度 |
Research Abstract |
位相空間から単位閉区間への関数列{f_n}が定値関数0に点ごとに収束するとき,f_n→0と書く.位相空間Xが性質(USC)を持つとは,任意の上半連続関数列{f_n}に対し,もしf_n→0ならば,連続関数列{g_n}でf_n≦g_n(n∈N)かつg_n→0を満たすものが存在することを言い,性質(USC)_sを持つとは,任意の上半連続関数列{f_n}に対し,もしf_n→0ならば,Nの部分列{n(i)}と連続関数列{g_n(i)}でf_n(i)≦g_n(i)(i∈N)かつg_n(i)→0を満たすものが存在することを言う.これらの定義で「上半連続」を「下半連続」に置き換えることによって,性質(LSC),(LSC)_sの定義を得る.Bukovsky(1991)によるwQN空間の位置付けと開集合の組み合わせ論的性質S_1(Г,Г)に関するScheepers予想(1999)「任意の完全正規wQN空間は性質S_1 (Г,Г)を持つ」に関連して,次の研究成果を得た. 1.定義から関係(USC)=>(USC)_sが得られるが,逆が成立しない例が実数空間の部分空間の中に存在する.2.性質(LSC)と(LSC)_sは互いに同値であり,これらの性質を持つ非可測濃度の空間は離散空間である.また,これらの性質を持つ可測濃度の空間で離散でないものが存在する.3.完全正規空間が(USC)を持つための必要十分条件は,σ-集合であることである.4.任意の完全正規QN空間は(USC)を持つ.5.任意の完全正規wQN空間が(USC)_sを持つならば,Scheepers予想は成立する.6.性質(USC)_sを持つ空間は至るところ第1類である.
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Research Products
(2 results)