2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福島 正俊 Osaka University, 名誉教授 (90015503)
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Keywords | 対称マルコフ過程 / 反射ディリクレ形式 / 1次元拡散過程 / 多次元反射壁ブラウン運動 / 時間変更 / 無限錘領域 / 対称拡大 / 2点拡張 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した本年度の「研究実施計画」が以下のように達成された。 1. 古典的理論である1次元拡散過程の理論を本研究課題の立場に基づいて、再構成することに成功した。1次元正則開区間I上の拡散過程X°は内部消滅がなく境界でのみ消滅する場合には標準尺度sと標準測度mによって記述され、m-対称であることがIto-McKeanによって示されている。本研究により、X°のディリクレ形式とその拡張ディリクレ空間がs,mを用いて初めて同定された。その結果、本研究で解明された反射ディリクレ空間理論を適用して、X°のあらゆる可能な対称拡大を決定し、構成することに成功した。 2. X°が次元が3以上の場合のブラウン運動を有限測度mで時間変更して得られる拡散過程のときには、X°は無限遠点に有限時刻で到着するが、その対称拡大の一意性と構成がZ.Q.Chen氏との共同で示され、フランスのポアンカレ数学研究所の雑誌に発表された。 代表者は更に進んで、X°が3次元以上の2つの無限錘の枝をもつ閉領域の反射壁ブラウン運動を適当な測度mによって時間変更して得られる拡散過程である場合を考察し、それが対称拡大を持つためのmに対する条件を求め、あらゆる可能な対称拡大を決定し、構成することに成功した。1次元の場合である1との完全な類似が成立し、また構成には本研究の課題にある点過程理論が有効に働く。これらの成果はStochastic Process and its Applicationsの伊藤記念特集号に掲載される予定である。
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Research Products
(3 results)