2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540130
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
黒岩 大史 Shimane University, 総合理工学部, 准教授 (40284020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 環 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10207110)
松下 慎也 松江工業高等専門学校, 電子工学科, 助教 (20435449)
山内 貴光 島根大学, 総合理工学部, 教務職員 (00403444)
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Keywords | 集合値最適化 / 微分 / 多目的最適化 / 数理計画 / 集合値解析学 |
Research Abstract |
現在、集合値計画法の微分概念に関する研究は、理論、応用の両面から発展が強く望まれている。しかしながら、従来から定義されていた集合値写像の微分概念は像の動きを的確に表現したものではなく、理論の構築に限界があった。このような状況を鑑み、平成19年度においては次のことを行った。 ●集合値計画法における適切な集合値写像の微分概念の定義には、凸集合の埋め込み空間(線形空間)とそこに導入する位相が重要な役割りをなす。まずは凸集合同士の「差」を表現可能な埋め込み理論を再構築した。 ●与えられた線形順序空間がノルム空間であるとき、埋め込み空間に対してノルムを導入できる十分条件を述べ、その性質について考察した。特に、順序錐の内点の存在性と、それを埋め込み空間に埋め込んだ順序錐の内点の存在性についての関係を調べた。 ●この理論を土台とし、集合値写像についての新しい微分概念を導入した。これは従来の集合値写像に対する微分概念とは異なっており、特に、像(集合)の動きを的確に表現できるため、集合値写像の「微分」と呼ぶに相応しい概念となった。 ●また、この微分概念を用いた局所最適性の必要条件および十分条件に関する定理を導いた。また、凸関数および擬凸関数についての特徴付けも行った。 ●これらの研究について国内外の国際会議および研究集会で発表を行い、多くの研究者から広く意見を聞くことができ、研究を発展させることができた。
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Research Products
(4 results)