2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540133
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
西山 高弘 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60333241)
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Keywords | 特殊関数 / 流体力学 / クーロン波動関数 / 合流型超幾何関数 / 円管ポアズイユ流 |
Research Abstract |
クーロン波動関数を含む合流型超幾何関数の漸近形を用い,円管ポアズイユ流に対する軸対称微小撹乱の複素位相速度分布を解析的に論じた前年度の結果を発展すべく,軸対称性をもたない微小撹乱の複素位相速度について調べた.P.J. Schmid & D.S. Henningson(1994, 2001)は数値計算により,軸対称でない場合も軸対称である場合と同様,微小撹乱の複素位相速度は複素平面上でY字状に分布することを示したが,現在までにその解析的説明はなされていない.軸対称でない撹乱の場合,その時間発展を表す方程式系は単独6階常微分方程式に直すことができるが,それに対して既存のWKB解析は使えない.そこで,軸対称撹乱に対する複素位相速度分布との類似性に着目しつつ,新たな手法を調査・模索したが,今年度で結果を出すのは難しかった.今後,継続して調べていきたい. 今年度に取り組んだもう1つのテーマは,合流型超幾何関数のベルトラミ流への応用である.ベルトラミ流とは流体の速度と渦度が平行になる流れのことで,定常オイラー方程式の解の1グループを成す.速度と渦度の比が定数の場合,ベルトラミ流はベクトル・ヘルムホルツ方程式の解を使って得ることができる.放物面体座標において,スカラー・ヘルムホルツ方程式の解は合流型超幾何関数を用いて表されるので,それを用いることにより,合流型超幾何関数を含むベルトラミ流が得られる.これに関連する新たな知見が得られたが,論文として発表するには不十分で,現在,研究を続行中である.
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