2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540146
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
板井 昌典 Tokai University, 理学部, 教授 (80266361)
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Keywords | 数理論理学 / モデル理論 / 解析的構造 / 擬極小構造 / 擬極小体 / generic 構造 |
Research Abstract |
解析的構造のモデル理論として、解析的ザリスキー幾何の研究を中心に行った。 英国オックスフォード大学のジルバー教授とその弟子であるピートフィールド博士によって提唱された、「解析的ザリスキー幾何」のモデル理論的公理系を詳細に解析した。ヘブライ大学(イスラエル)のフルショフスキー教授の提唱した「ジェネリック構造構成法」を用いて、彼らは「解析的ザリスキー構造」を構成したが,この構造の性質を研究した。前述した公理系の解析とともに、これら2つの内容をまとめて、京都大学数理解析研究所の講究録に論文として報告した。 ジルバー教授は、解析的ザリスキー構造以外にも、「非代数的ザリスキー構造」も研究している。そのいくつかの例について詳細に分析し、やはり数理解析研究所の別の講究録に論文として報告した。 現在、「ザリスキー構造」に抽象的な「解析関数」を添加した構造を考え、その新たな構造を「解析的ザリスキー構造」と解釈する方法を開発中である。この手法を用いて、ジルバー教授の「非代数的ザリスキー構造」から「解席的ザりスキー構造」を構成し、さらにコンパクト化した構造を考え、その構造において「大域的に定義可能な」集合の性質を考察する準備的研究を行っている。 2008年2月末日から3月10日まで、オックスフォード大にジルバー教授を訪ね、解析的ザリスキー構造の研究に関して討議を行い、今後の研究課題・方針について意見を交換した。 2008年3月26日には、日本数学会の数学基礎論および歴史分科会において、Analytic Zarisiki structures and a Generalized Chow theoremという標題の一般講演を行った。これは、ジェネリック構造を解析的ザリスキー構造と考える時に成り立つ、大域的な解析集合の性質に関する報告である。
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Research Products
(3 results)