2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540146
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
板井 昌典 Tokai University, 理学部, 教授 (80266361)
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Keywords | 数理論理学 / モデル理論 / 解析的構造 / 解析的ザリスキー幾何 / 擬指数関数 |
Research Abstract |
1)解析的構造のモデル理論的枠組みとしては,「解析的ザリスキー構造」がよく知られている.その1つの例として,ZilberとPeatfieldによって構成された構造があるが,この構造において大域的な解析的集合の特徴付けとしてChowの定理が成り立っている.彼らの論法を一般化した「一般的Chowの定理」について,京都大学数理解析研究所の講究録に発表した. 2)擬極小体の一つである,「擬指数関数付き代数的閉体」(以下Kexと書く)をモデル理論的に考察する方法として,PQF位相と呼ばれる位相を導入し,その位相に関する「解析的集合」の性質について考察を行った. このPQF位相における,「解析的集合」の候補に相応しい集合の,「既約成分分解」に対応する定理が成り立つことがわかる。しかしながら,PQF位相では,擬指数関数の解析的性質を表現するには貧弱であることも知られている.(Zilberの注意) Kexをモデル理論的に扱う第一歩として,解析的ザリスキー構造とみなすことが可能かという,Zilber予想と呼ばれる問題がある.この問題に対する肯定的解答を与えるには,したがってPQF位相より強い,すなわち閉集合がより多い位相を定義しなければならない. 上述の知見を,平成21年3月末に駒場東大キャンパスで開催された,日本数学科年会基礎論分科会において報告した.
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Research Products
(2 results)