2008 Fiscal Year Annual Research Report
関数空間の局所的性質の研究から導かれる実数の特異部分集合とその臨界濃度の研究
Project/Area Number |
19540151
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
酒井 政美 Kanagawa University, 工学部, 教授 (60215598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 幸信 神奈川大学, 工学部, 教授 (10142548)
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Keywords | 関数空間 / 特異部分集合 / 臨界濃度 |
Research Abstract |
研究目的の、実数の部分集合Xと各点収束位相をもつX上の関数空間Cp(X)の局所的性質との関係について、次の研究成果を得た。掲載雑誌は、11.研究発表(平成20年度の研究成果)を参照。 1.一般距離空間の理論において重要なクラスであるアレフ空間(σ局所有限なk-networkをもつ空間)は、closed and countably bi-quotient写像で保存されることを示し、Shou Linの提出した問題(アレフ空間は、closed and countably bi-quotient写像で保存されるか?)に肯定解を与えた。この結果は今まで知られていたアレフ空間の写像定理(例えば、アレフ空間はclosed and open写像で保存される等)の多くを含み、アレフ空間はどのような写像で保存されるかという問題に対して、最良の条件を与えた点で意義がある。 2.各点収束位相をもつ関数空間Cp(X)において、TsabanとZdomskyyは「非可算濃度の空間Xで、Cp(X)がstrong Pytkeev propertyをもつものがあるか?」という問題を提出した。この問題が肯定的に解ければ、筆者がかつて提出した問題「Cp (X)がPytkeep propertyを満たせば、Cp(X)はsequentialか?」の反例が得られることになる。しかし筆者は、Cp (X)が各点で可算なcs*-networkをもてば(特にstrong Pytkeev propertyをもてば)、Xは可算空間になることを示し、TsabanとZdomskyyが問題にしているような性質を満たす空間は存在しないことを示して彼らの問題を解決した。この結果から、Cp (X)がアレフ空間であればXは可算集合になることも示され、Michaelの結果「Cp (X)がアレフ0空間であればXは可算集合」を大幅に改良している点も意義がある。
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Research Products
(4 results)