2009 Fiscal Year Annual Research Report
関数空間の局所的性質から導かれる実数の特異部分集合とその臨界濃度の研究
Project/Area Number |
19540151
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
酒井 政美 Kanagawa University, 工学部, 教授 (60215598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 幸信 神奈川大学, 工学部, 教授 (10142548)
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Keywords | 関数空間 / 特異部分集合 / 臨界濃度 |
Research Abstract |
研究目的の、実数の部分集合Xと各点収束位相をもつX上の関数空間Cp(X)の局所的性質との関係、および連続関数の擬正規収束に関するScheepers予想について、次の研究成果を得た。掲載雑誌は、11.研究発表(平成21年度の研究成果)を参照。 1.関数空間Cp(X)の局所的性質である、countable fan-tightnessを特徴づけるMenger propertyについて、the Sorgenfrey lineの部分空間がMenger propertyをもつための必要条件と十分条件を記述集合論的な言葉で与えた。特に、実数の部分集合がhereditarily Mengerであることと、対応するthe Sorgenfrey lineの部分空間がhereditarily Mengerであることが同値であることが得られた。また実順序空間において、ある条件のもとではMenger propertyとtotal paracompactnessが同値であることを示した。 2.連続関数の(各点収束より強い)擬正規収束に関するScheepers予想について、Bukovskyにならい上半連続関数の各点収束列の観点から研究を行い、記述集合論にあらわれるσ-setではScheepers予想が正しいことを示した。この際、「Oに各点収束する上半連続関数列は、Oに各点収束する連続関数列を随伴する」という概念(USC)を導入して利用し、一般にこの性質をもつ空間を研究し、他の関連する空間族(γ-setなど)との関連を調べた。 3.Scheepers予想を解決するためにBukovskyが導入した上半連続関数列に関する概念wQN*とSSP*について、「wQN*⇒SSP*」が成り立つかというBukovskyの問題を肯定的に解決した。またScheepers予想に関係するいくつかの被覆性質について、上半連続関数列を用いた特徴づけを与えることができた。この結果と上の2の結果からScheepers予想のとらえ方が明らかとなり、今後の研究継続の足掛かりを得た。
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Research Products
(4 results)