2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540160
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
曽我 日出夫 Ibaraki University, 教育学部, 教授 (40125795)
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Keywords | 関数方程式 / 逆問題 / 偏微分方程式 / 弾性方程式 / 散乱 / 複素積分 |
Research Abstract |
本研究は、弾性波動方程式を対象として、(波の)散乱の逆問題に関する数学的枠組みを設定し、その下で逆問題を、できるだけ実際の観測の具体性を失わないように解くことを目的としている。平成20年度は次のことを目指した。 a. 表面波を使った物体探査や地震波の地層探査を想定した逆問題を数理的に解析し、数学的構造を明らかにする。 b. この逆問題に利用することを想定して、弾性波の具体的な表示法(式)を開発する。 c. 上記の逆問題における解像度と波の種類(波長、表面波、内部波等)の選択との関係を数理的に解析する。 これらについて、以下に述べるような成果を得ることができた。 a については、物質探査を想定した数理モデルを設定し、その下で表面を伝わるRayleigh波の偏光性が非等性部分の存在にどのような影響を受けるかを明らかにした。しかし、このことが、最終的な逆問題にどう関わるのかを具体的に究明することはできなかった。 b については、表面を伝わるRayleigh波に適用可能な弾性波の表示法を開発できた。これは、複素積分を使った新しい方法であり、変数係数に拡張できたことが今回の成果である。 c については、波長と探査可能な物体のサイズがどのように関係するか、数学的な論及を与えることに、一定程度見通しが付いたが、結論めいた結果を得ることはできなかった。これの更なる究明は今後の課題となった。
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Research Products
(1 results)