2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540161
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
下村 勝孝 Ibaraki University, 理学部, 准教授 (00201559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 利郎 茨城大学, 理学部, 教授 (80157057)
西尾 昌治 大阪市立大学, 理学研究科, 准教授 (90228156)
安藤 広 茨城大学, 理学部, 講師 (60292471)
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Keywords | 熱方程式の解を保つ変換 / caloric morphism / Appell変換 / 熱方程式 |
Research Abstract |
本研究の目的は、熱方程式の解を保つ(熱方程式の解を再び熱方程式の解に写す)変換を、「変換の形を具体的に決定する」をキーワードにして調べることである。今年度の研究実績の概要は、以下の通りである。 1. 計量退化集合を除いた二つの半ユークリッド空間に、別々の動径方向半リーマン計量が与えられた場合に熱方程式の解を保つ変換を調べて、形を完全に決定した。結果を論文にまとめて、現在投稿中である。同じ計量の場合に帰着させる方法で、同じ結果を以前に得て論文にまとめたが、方法を改めて、変換の形を直接決定する方法で証明を進めたところ、同じ計量の場合に外せなかった技術的な条件である、写像の定義域と値域が交わる、を回避することができた。これにより、同じ計量の場合の結果も、技術的な条件なしのきれいな形にすることが出来たもので、今までの結果から単に場合を拡張するだけでなく、前の結果を良くすることが出来たという点で、大きな意義があった。 2. 熱方程式の解を保つ変換と同じ形で、波動方程式の解を保っ変換を定式化し、ユークリッド空間上の場合について調べ、3次元(空間次元2)以上の場合に形を完全に決定した。結果を現在論文にまとめているところである。調和関数を保っ変換の場合のアナロジーで出来る部分までは、すでに結果があったが、波動方程式の解を保っ変換の場合は、ローレンツ計量を考えるのが自然で、調和関数の場合には表れないタイプの等角写像が存在するため、その形を調べるのが最大の課題であった。今回、うまく具体的に形を決定することが出来た。半リーマン多様体上の熱方程式の解を保つ変換の研究に役立つと考えられ、また新しい研究へのステップとして意義があり重要である。
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Research Products
(7 results)