2010 Fiscal Year Annual Research Report
最適化理論と不動点理論を介した非線形関数解析学と凸解析学の究明、及びその応用
Project/Area Number |
19540167
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 渉 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (40016142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 雅治 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (30260623)
木村 泰紀 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (20313447)
小宮 英敏 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (90153676)
木戸 一夫 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (50286621)
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Keywords | 関数解析 / 凸解析学 / 不動点理論 / 最適化理論 / 非線形作用素 / 不動点アルゴリズム / 収束定理 / 非線形均衡問題 |
Research Abstract |
本研究では、これまでの研究でわき起こった重要で新たな非線形問題を、非線形関数解析学と凸解析学を基礎にした非線形問題として捉え、その問題を非線形最適化理論と不動点理論を介在にした非線形関数解析学と凸解析学の立場から研究し、新しい非線形関数解析学と凸解析学を構築するとともに、他の分野の非線形問題にも応用が出来るようにいろいろな角度からその研究を行った。バナッハ空間の幾何学と不動点の存在の研究では、1980年にRayによって証明されたヒルベルト空間の閉凸集合が有界であるための必要十分条件は、その集合上で定義されたすべての非拡大写像が不動点を持つという定理を、バナッハ空間の場合まで拡張した。この拡張問題は30年間未解決の問題だった。非線形均衡点問題と非線形作用素の研究では、非拡大写像を広い形で拡張した一般的ハイブリッド写像と呼ばれる新しい写像を導入し、いくつかの不動点定理や収束定理をヒルベルト空間やバナッハ空間で証明した。特に、バナッハ空間での非線形エルゴード定理は一般的ハイブリッド写像に対する広い形での収束定理である。凸関数の劣微分の零点問題と不動点アルゴリズムの研究では、凸関数の劣微分の一般化である極大単調作用素の零点問題を研究し、ハイブリッド型のいくつかの収束定理を得た。極大単調作用素の4つのリゾルベントの研究では、その4つのリゾルベントの一つと関連する非線形射影が、線形の縮小写像の不動点集合を特徴づける射影であることを発見し、この事実を使って、線形の縮小写像に関連する新しい定理をいくつか得た。これらの結果は国内外の雑誌や研究集会で公表し、非常に関心をもたれた。
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Research Products
(22 results)