2007 Fiscal Year Annual Research Report
関数方程式における差分的手法と正値性とその周辺の研究
Project/Area Number |
19540168
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
内藤 敏機 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (60004446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 耕平 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00175655)
石田 晴久 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (80312792)
古用 哲夫 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40039128)
村上 悟 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40123963)
中嶋 文雄 岩手大学, 教育学部, 教授 (20004484)
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Keywords | 差分方程式 / 周期線形微分方程式 / リャプーノフ数 / 正値半群 / ペロンーフロベニウス / ロバスト安定 / ボルテラ型方程式 / 不変多様体 |
Research Abstract |
非同次線形差分方程式の解を係数行列の固有空間成分に分解し、初期値により解の漸近挙動がすぐわかるような解の新表現形式を与えた。そして係数行列が行列の指数関数である場合の先行結果との対応関係を、組み合わせ論的な計算手法を用いて明らかにした。その結果として差分方程式の解の後退方向の新表現形式を導出した。周期係数線形微分方程式の解を周期写像により差分化して解析することにより、本研究の成果は周期係数の非同次線形微分方程式の解の新表現に応用され、解の漸近挙動と初期値に関する新公式を得た。また他の応用として解のリャプーノフ数を初期値との関係において表す新公式を得た。 正値性の問題に関しては、線形差分方程式の解半群の正値性に関する係数行列の条件を導出し、その条件を満たす場合のペロンーフロペニウス型の定理を証明し、解の安定性、漸近安定性に関するスペクトル条件を得た。またロバスト安定性に関する摂動系の安定半径の公式を得た。 バナッハ空間上の関数微分方程式とボルテラ差分方程式に対し、方程式系と同程度の滑らかさをもつ不変多様体の存在定理を確立した。また、バナッハ空間上の線形関数微分方程式に対して、解の漸近挙動を研究し、有限次元方程式に対するペロン型定理の拡張版を確立した。 非線形2連立差分システムの、線形項の係数行列の固有値が2つとも1でかつ非対角化行列の場合について考察を行った。その結果、このシステムに関して、解析解の存在性を示し、その解の表示を得る事ができた。対角可能な場合は一つの解を得る事ができたのに対し、この場合は二つの解を得る事ができた。
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Research Products
(4 results)