2009 Fiscal Year Annual Research Report
バナッハ環上の位相的な量を保存する写像の代数的性質の研究
Project/Area Number |
19540169
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
羽鳥 理 Niigata University, 自然科学系, 教授 (70156363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 毅 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (90333989)
高橋 眞映 山形大学, 理工学研究科, 教授 (50007762)
泉池 敬司 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80120963)
斎藤 吉助 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018949)
渡邉 恵一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50210894)
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Keywords | バナッハ環 / 可換バナッハ環 / 末梢スペクトル / 等距離写像 / 等距離同形写像 |
Research Abstract |
単位的半単純可換バナッハ環の可逆元からなる群の開部分群から単位的バナッハ環の可逆元からなる群の開部分群への等距離写像Tが単位元を保存するとき,Tはそのバナッハ環の間の実元環としての等距離同形写像に拡張できることを示し,従って対応する可逆元からなる群の間の等距離(群)同形写像であることが示された。Mazur-Ulamの定理を拡張した。その際に亜距離空間を導入し,強鏡映的亜距離空間や超鏡映的亜距離群の間の亜距離を保存する写像の代数構造を決定した。特にコンパクトHausdorff空間X上の正値連続関数からなる群から他のコンパクトHausdorff空間Y上の正値運続関数からなる群へのある種の亜距離を保存する写像の構造を決定した。これは単位的C*環の可逆正要素全体の集合の間のThompson距離保存写像に関するMolnarの結果の可換版と見ることもできる。AとBを単位的な半単純可換バナッハ環とし,SとTをAからBへの単位的な全射でスペクル半径を非対称積的にうつす写像とする。このときSとTは一致して,それらはAからBの上への実同形写像であることを示した。また関数環AとBとAの適当な条件をみたす部分集合Iを考えてr,tをIからAへの写像で,S,TをIからBへの写像としてIの任意の関数f,gについてS(f)T(g)の末梢スペクトルがr(f)t(g)の末梢スペクトルに含まれるときBのChoquetからAのChoquet境界への同相写像φが存在してS(f)(y)=r(f)(φ(y))とT(f)(y)=t(f)(φ(y))がIの任意の関数fとBのChoquet境界の任意の点yについて成立することを示した。この結果は乗法的に末梢スペクトルを保存する写像の代数構造に関する既存の結果の拡張になる。また極大イデアル空間の第1Cechコホモロジー群がつぶれている可換C*環ではr(f)=fのm乗やt(f)=fのn乗は全射となるため,この場合には既存の結果を含むことが分かる。
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Research Products
(4 results)