2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレットと特異値分解による適応型多重解像度解析とその画像解析への応用
Project/Area Number |
19540180
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
芦野 隆一 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 教授 (80249490)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萬代 武史 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (10181843)
守本 晃 大阪教育大学, 教育学部, 助教 (50239688)
|
Keywords | ウェーブレット解析 / 時間周波数 / 多重解像度解析 / マルチウェーブレット / 画像解析 / 解析ウェーブレット変換 / 特異値分解 / ブラインド信号源分離 |
Research Abstract |
本研究は,超局所フィルタリングと特異値分解を統一して扱うことのできる適応型多重解像度解析の基礎理論とその工学への応用に関する研究であり,以下の3つを目的とした研究を行った. (i)L^2(R^n)の超局所フィルタリングと特異値分解を統一した適応型多重解像度解析の構造を研究する. (ii)構成した適応型多重解像度解析から超局所フィルタリングを行う高速アルゴリズムを開発し,数値計算によって工学への応用の有効性を検証する. (iii)ローカルエンハンスメントの可能性について考察する. 本年度得られた結果は以下の通りである.一部の結果は,平成20年度に学会および雑誌で発表した.また,最新の結果は現在投稿中である. (i)に関しては,適応型多重解像度解析を考察する最初のステップとして,一般化されたソボレフ空間H^<10>_w(R^n)において,超局所的に分解することができる隙間のないウェーブレットフレームが我々の構成法で構成できるようなソボレフ空間の重みはどのような重みであるか調べ,そのような重みを持った一般化されたソボレフ空間にウェーブレットフレームを構成し,その応用例としてある種のリースポテンシャルが超局所的に分解できることを示した.当初は特異値分解を主とした適応型多重解像度解析を考察していたが,独立成分分析,時間周波数解析を扱うことも視野に入れて,解析ウェーブレットを用いた適応型多重解像度解析の研究を進めている. (ii)に関しては,3次元空間における物体の回転等を高速で計算できる四元数を使ったアルゴリズムがコンピュータグラフィックス等で実用化されていることに注目し,高速化手法の有力な候補として四元数値フーリエ変換の研究を行い,四元数値フーリエ変換の不確定原理の一つの形を与えた.これは,四元数値のフーリエ変換による超局所解析のひとつの理論的限界を与えるものである. (iii)については更なる研究が必要であり,今後の課題として残った.
|