2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540181
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
谷口 雅彦 Nara Women's University, 理学部, 教授 (50108974)
|
Keywords | 正則分岐被覆構造 / タイヒミュラー空間 / 国際情報交換 / 多国籍 |
Research Abstract |
正則写像による分岐被覆構造の研究のうち、単純な極因子をもつ有理函数族については、韓国のジェオン氏との議論の中で深化が得られた。特にアニュライの場合の考察から未知の興味深い等式が得られ、2007年にJournal Math. Anal. Appl.からその結果を公刊することができた。さらに、防衛大の藤村氏から、係数領域についての数式処理環境の構築に向けて協力が得られることになり、その可視化作業に向けて調整を進めてきている。その完成は来年度以降の重要な課題である。 多項式の力学的モデュライ空間のコンパクト化は防衛大の藤村氏との共同研究で、夏には基礎理論が完成した。その特筆すべき成果は、すでにアメリカ数学会のProc. AMSに受理されていて、結果は近々公表される。また整関数の場合にも、高知大の諸沢俊介氏との共同研究で分類理論に関連する斬新な成果を得ていて、現在公表に向けて準備中である。 最後に、一般のリーマン面に対する正則分岐被覆の力学系的研究については、岡山大の松崎氏や上智大の藤川氏とともに基本的理論の構築がほぼ終わり、公表に向けての準備を進めている。また2007年度には、京大数理解析研究所において、このテーマについて藤川氏を中心とする国際的な共同研究と研究集会「無限次元タイヒミュラー空間とモジュライ空間」(11-19〜11-22)を開催することができた。その集会での活発な議論と情報交換の中から、新たな展望と成果も得ることができた。そのような結果を現在集約中であり、その公表は来年度の最初の課題である。
|
Research Products
(4 results)