2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540181
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
谷口 雅彦 奈良女子大学, 理学部, 教授 (50108974)
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Keywords | 正則分岐被覆構造 / タイヒミュラー空間 / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
正則力学系に対する変形空間のモジュライ・パラメーターについてミルナーらの導入した正則写像の力学系的モジュライ空間は、まさにそれらの正則分岐被覆構造のメビウス共役類空間であった。そのような視点から、研究協力者の防衛大学校の藤村氏との共同研究により、多項式の力学系的モジュライ空間の幾何学的コンパクト化を与えたが、さらに有理関数の場合についても藤村氏との共同研究で、その力学系的モジュライ空間の大域的ヴァーチャル座標を与えることに成功した。その成果は、共著論文Conf. Geom. and Dynam., 14(2010), 141-153として公刊された。この成果の帰結として、奈良女子大学大学院のKarima氏とともに、正則分岐被覆構造に付随するベル表現に対する新たなモジュライ・パラメーターを特定することに成功した。その際に数式処理や数値計算の技術が成果の検証・予測に極めて有用であったが、そのような手法をさらに適用することで、藤村氏およびkarima氏との共著論文Comm. JSSAC, (2010),to appearにおいて、ゴールドバーグの問題に対する数式処理技術をもちいた低次数の場合の完全解決を与えた。 次に、複素構造に関する擬等角タイヒミュラー空間論においても、研究協力者の早稲田大学の松崎氏や千葉大学の藤川氏らともに、タイヒミュラー空間上の正則力学系に対するモジュライ空間についての基礎理論の構築を完成させたが、さらにその研究を押し進め、共著論文R.I.M.S. Kokyuroku Bessatsu, B17(2010), 21-36では、上記の無限次元タイヒミュラー空間上の一般正則力学系理論の応用としで、正則写像の境界挙動に関する基本定理の証明にも成功した。
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Research Products
(3 results)