2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540187
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
増本 誠 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (50173761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 雅和 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70025469)
山田 陽 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60126331)
加藤 崇雄 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10016157)
木内 功 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30271076)
幡谷 泰史 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20294621)
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Keywords | リーマン面 / 正則写像 / 等角写像 / 穴あきトーラス / 単葉関数 / 極値截線写像 / 代数曲線 |
Research Abstract |
把手をもつリーマン面は必ず穴あきトーラス(種数が1で境界成分の個数が1の開リーマン面)を部分リーマン面として含む。この意味で、穴あきトーラスを、平面関数論において開円板が果たすのと同じ役割を果たすものと捉える。複素数平面において、開円板は領域などの大きさを量る道具として用いられることがある。そこで、穴あきトーラスを、リーマン面の把手の大きさを量るために用いる。さて、Rを種数1の開リーマン面とする。境界成分を無限個持っていても構わない。このとき、穴あきトーラスTで次の2条件(a)、(b)を満たすものが存在することを証明した:(a)リーマン面Sの中に、基本群を用いて記述されるある位相的条件を満たすようにRを等角に埋め込むことができるならば、同様の位相的条件を満たすようにTもSの中に等角に埋め込むことができる。(b)Tは条件(a)を満たす穴あきトーラスの中で最大である。ここで、穴あきトーラスの全体の作る集台に、等角に埋め込むことができるという基準で順序を導入する。この順序は全順序ではないので、条件(b)で述べた最大穴あきトーラスの存在は決して自明ではない。この定理は、単位開円板上の単葉関数に関するケーベの四分の一定理の類似物であると見ることができる。この他に、柴は、平面領域の極値水平截線写像と極値垂直截線写像の複素一次結合がいつ単葉になるかという米谷の問題に対する完全解を与えた。さらに、幡谷との共同研究で、種数1の開リーマン面をトーラスの中に等角に埋め込んだときその像の補集合の面積の取り得る範囲から生じる関数と管の中の粘性流との興味深い関係を見出した。また、加藤は、代数曲線の変曲点とワイエルシュトラス半群の純空隙との関係を調べ、その結果をエルミート曲線に応用した。
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Research Products
(7 results)