Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 雅和 広島大学, 大学院・工学研究科, 名誉教授 (70025469)
山田 陽 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60126331)
幡谷 泰史 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20294621)
木内 功 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30271076)
加藤 崇雄 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10016157)
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Research Abstract |
米国フロリダ州で開催された第5回非線型解析学者世界会議において分科会「リーマン面上の非線型問題」を主宰し,代表者や分担者がこれまでに得た研究成果を発表した。まず,増本は,境界成分をただ1つ持つ種数1の開リーマン面から種数正のリーマン面の中への正則写像で,基本群の意味で指定された把手を対応づけるものが存在するか否かという問題を考察した。これまで単射正則写像の場合について詳しく考察してきた問題を,一般の正則写像にまで歩を進めたものである。そのような存在問題は,実は,境界成分数1,種数1の開リーマン面間の正則写像の存在問題に帰着される。そして,そういった性質を持つ正則写像が存在するための必要条件を,定義域であるリーマン面上の閉曲線の自由ホモトピー類の極値的長さと対応する像リーマン面上の自由ホモトピー類の極値的長さとの間に成立する具体的な評価式で与えた。Schwarz-Pickの補題から導かれる双曲的長さによる評価式はよく知られているが,極値的長さによる評価式は全く知られておらず,リーマン面の等角的埋め込みについては極値的長さの方が双曲的長さよりも扱いやすい点を考慮すると,新しい研究への足がかりになるものと期待される。次に,柴は,種数1の開リーマン面から同種数の閉リーマン面への等角的埋め込みに関する自身による面積定理から得られるある数式とHagen-Poiseuille流との関連に着目し,Hagen-PoiseuiUe流について新しい視点から研究を行った。また,山田は,乗法的Bergman核が完全になるための条件を考察した。さらに,幡谷は,Navier-Stokes方程式の解の減衰度の評価を与えた。この他に,木内は,3重ゼータ函数に対する評価式を与えた。また,加藤は,線型符号の長さの最小値に関する研究を行った。そして,柳原は,単位円で定義されたある種の単葉函数が取り得る値の範囲を精密に調べた。
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